9月に入って急に涼しくなりましたね・・・
昨年と比べて2週間も早い梅雨明けでしたが、その後はパッとしない(特に週末)天気が続き、秋風が吹くようになってしまいました。
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今週の土曜日は発熱外来に出勤のため、どこにも行けませんでした。
まあ天気も悪かったので、どのみち家に居ることになったと思いますが・・・

発熱外来にやって来る患者数は修羅場と化した8月の第2週〜3週に比べると落ち着いて来ました。
昨日も6人(4名陽性)来ただけでしたね・・・
病棟も満床で新たに入院を受けることが出来ないため動きが無く、午後はやる事も殆ど無くなりました。

ただ近隣の病院の状況としては、コロナ患者を受け入れている施設が一般の入院を制限しているため、搬送までに時間が掛かる事もあります。
当院に搬送されてくる患者でも、普段は〇〇病院で診てもらっているが搬送を断られ・・・というケースが散見されます。
コロナだけで無く、持病がある方は持病の悪化に、また特に高齢者では家庭内での転倒による骨折などにも十分注意して・・・と思います。



さて先々週、某コロナ拠点病院主催のWeb会議に他のスタッフと一緒に出席しました。
他にネタも無いので、その内容について(覚えていることを)紹介したいと思います。

会議の中では国立感染症研究所が日本国内での新型コロナウイルスに対するワクチンの有効性に関して解析した結果について解説がありました。
※8月末に感染症研究所のHPにもUPされたので、興味のある方は・・・
https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2484-idsc/10614-covid19-55.html


考察にも書かれていますが、症例が限定されていること、デルタ株への置き換え途中の時期の解析であること、ワクチン接種後の期間について曖昧な点があることは考慮する必要があるようです。
ただし文化も生活様式も医療体制も異なる海外のデータでは無く、国内の症例を解析した結果であることは重要であると言われていました。


ワクチンを1回接種しただけでも2週間後には有意な結果が得られていますが、やはり2回接種することでより良い結果が得られています。
2回接種時の有効率については95%と非常に高い値が示されていますが、95%CIが72〜100とかなり幅があるので、そこは考慮しないといけないでしょう。
ただ単純に低く見積もっても70%以上の有効率はありそうですね・・・
所謂ブレイクスルー感染については1例しか報告が無いものの、母集団が限定されており、実際にはもっと発生するのは間違いないのでは・・・
とのことでした。

残念な点は、この集団の年齢毎のワクチン接種の割合が示されていないこと・・・
これ海外でのデータでも出ないことが多いんですが、どうしてなんでしょうね?
これが分かると色々わかって来ることもあるのに・・・



接種の進んでいるイギリスやイスラエルで感染者が増えている点に関してもデータの解説がなされました。

イギリスに関しては日本と同様にワクチン未接種者には若年層の割合が高いこと。
従来型と比べるとデルタ株は若者でも症状が出易いため、行動規制の撤廃もあって感染者数が増える原因になっているのではないかとのことです。
これは現在の日本でも同じ現象が生じていますよね・・・

死亡率について一見するとワクチンを接種した方が高いような数値も出ていますが、 " ワクチンを打っても感染することがある事を前提にすれば " ワクチンを打った側の母集団には感染すれば重症化し易い高齢者が多く含まれ、ワクチンを打っていない側には感染しても重症化し難い若年者が多いことが、この結果の要因でしょうと・・・
その辺りの解析がされていないのにも関わらず、一部医療関係者が数値だけをSNS等で発信していることには警笛を鳴らされていました。
この解説については同感ですね・・・


やはりワクチンの有効率については今回の感染症研究所の解析と同様の結果が出ていること・・・
ワクチン接種の進んでいる高齢者のデータを抜き出せば、死亡者数、入院者数もワクチン接種者の方が優位に低く、デルタ株であっても少なくとも重症化リスクの軽減という点では十分な効果があるのではないかとの見解をされていました。


イスラエルについてもイギリスと同じようなことが考えられますが、イスラエルでは日本と比べるとワクチン接種が非常に早く、3月には50%以上が接種を完了していた点がポイントであると・・・
日本と同様に優先的に接種の対象となった高齢者や医療従事者の中には2回の接種終了後半年以上経過する人が増えて来ており、やはり行動規制を一早く撤廃したことも加わって感染者数の増加の要因になっているのでは無いかと言われていました。

ワクチンの有効期間についてはっきりと示されていないものの、やはり3回目接種が必要になって来ることの一つの根拠にはなるとの見方をされていました。


また海外では教育現場での感染が割合として一番高くなっており、新学期の始まった日本でも今後注意深く観察していく必要があると述べられていました。
デルタ株では若年層でも感染することが分かっており、ワクチンを打てない小中学生の感染増にも注意が必要とのことです。
今までは少なかった子供から親への家庭内感染というのも増えて行く可能性があります。



ワクチンについては個人的には、やはり打った方が良いと思っています。
ワクチンを打った上で現状の感染防止対策をしっかり継続することが現状ではベストでは無いかと思います。
ただモデルナ製ワクチンに関しては、異物に関しての分析と原因究明がなされるまで国は接種を進めるべきでは無いと思いますが・・・
病院勤務以外の薬剤師が分注作業に多く従事していることから、コアリングじゃないの?と最初は思っていましたが、それだけでは無いようですからね・・・

ファイザー社との追加供給契約を取り付けた・・・
某次期総裁候補の話はその後どうなっているんでしょうか?




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